売却でネックになる瑕疵物件│売れにくい条件をチャンスに変える不動産売却(9)

不動産売却前に押さえておこう!心理的瑕疵について解説

相続した家や、長年空き家になっていた物件について、「もしかすると瑕疵物件に当たるのではないか」と不安に感じたことはありませんか。建物の老朽化だけでなく、法律上の問題、周辺環境、さらには過去の事故や事件といった心理的な要素まで含まれるため、どこまでが瑕疵に該当するのか判断が難しいのが実情です。

瑕疵物件と聞くと、「売れない」「大幅な値下げが必要になる」というイメージを持たれがちですが、実際には瑕疵の種類や程度によって、売却への影響は大きく異なります。どのような瑕疵があるのかを正しく理解することで、売却の選択肢は大きく広がります。

特に事故や事件があった物件は、国土交通省のガイドラインが整備された現在でも、買主の心理的な抵抗が強く、慎重な対応が求められます。しかし、適切な情報開示と現実的な価格設定を行えば、売却は十分に可能です。本記事では、瑕疵物件の基礎知識から売却への影響、告知義務の考え方、そして売却を成功させるためのポイントまでを、わかりやすく解説します。

目次

瑕疵物件とは?4つの種類と特徴

瑕疵物件とは、通常の取引において買主が期待する状態と比べて、何らかの問題や欠陥がある不動産を指します。その内容は、単なる建物の不具合に限られません。法律上の制限や周辺環境、過去の出来事など、外見からは分かりにくい事情も含まれます。

不動産における瑕疵は、実務上、大きく4つに分類されます。どの瑕疵に該当するかによって、売却方法や注意点が異なるため、まずは正確に把握することが重要です。

①物理的瑕疵

建物や土地そのものに物理的な欠陥がある状態をいいます。建物の傾き、雨漏り、シロアリ被害、地盤沈下、土壌汚染、外壁のひび割れ、給排水管の劣化などが該当します。これらは安全性や修繕費用に直結するため、価格に影響しやすく、買主が慎重になる要因となります。

物理的瑕疵については、インスペクション(建物状況調査)を行うことで、一定程度把握できます。事前に調査を実施し、現状を正確に説明することで、買主との信頼関係を築きやすくなり、引き渡し後のトラブル防止にもつながります。

②法律的瑕疵

建築基準法や都市計画法などの法令に適合していない、または法的な制限が存在する状態を指します。違法建築、接道義務を満たしていない土地、建ぺい率や容積率の超過、他人の権利が設定されている不動産などが該当します。

法律的瑕疵がある物件は、再建築ができなかったり、金融機関の融資が受けられなかったりする場合があります。その結果、購入できる買主が限定され、価格が下がりやすくなります。特に接道義務を満たさない土地は、再建築不可となるため、売却時には慎重な説明が必要です。

③環境的瑕疵

周辺環境が原因で居住の快適性が損なわれる状態を指します。騒音や振動、悪臭、日照や眺望の問題、近隣トラブル、嫌悪施設が近くにあるといった事情が該当します。

感じ方に個人差が大きい点が特徴です。同じ条件でも、敬遠する人がいる一方で、利便性や価格を重視して問題と感じない人もいます。そのため、環境的瑕疵がある物件では、条件を許容できる買主を見つけることが重要になります。

④心理的瑕疵

物件やその周辺で起きた出来事により、買主が心理的な抵抗を感じる状態を指します。自殺や他殺、事故死、火災の履歴などが代表例です。物理的な問題がなくても、心理的瑕疵があることで、購入をためらわれるケースは少なくありません。

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瑕疵が不動産売却に与える影響

瑕疵の種類によって、売却への影響は大きく異なります。特に心理的瑕疵は、価格に反映されやすいとされています。一般論として、自殺があった物件では相場より2割から3割程度、事件性の高い他殺の場合はさらに大きく下がる傾向があるといわれています。ただし、これらはあくまで目安であり、立地や築年数、事件からの経過期間によって影響の度合いは変わります。

たとえば、駅に近いなど立地条件の良い物件であれば、心理的瑕疵があっても投資目的や事業用として検討されることがあります。また、事件から長期間が経過し、周囲でほとんど意識されていない場合は、価格への影響が限定的になるケースもあります。

一方で、軽度の物理的瑕疵や環境的瑕疵については、適切な説明と価格調整によって、買主が納得しやすくなります。修繕を前提として購入したい買主にとっては、価格が抑えられていること自体が魅力になることもあります。

重要なのは、瑕疵を一律に「売れない要因」と考えるのではなく、その内容と影響を整理し、どのような買主に向いている物件なのかを見極めることです。

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告知義務の範囲とは?

瑕疵がある不動産を売却する際には、買主への告知義務が問題となります。特に心理的瑕疵については、国土交通省が2021年に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表し、一定の考え方が示されています。

このガイドラインでは、老衰や病死などの自然死や、日常生活の中で起こり得る不慮の事故死については、原則として告知不要とされています。ただし、死後長期間発見されず、特殊清掃や大規模な修繕が必要になった場合には、自然死であっても告知が必要となる点には注意が必要です。

自殺や他殺など、一般の買主が心理的抵抗を感じる可能性が高いケースについては、原則として告知が必要です。売買の場合、告知義務の明確な年数は定められていませんが、事件の内容や社会的な影響、周辺での認知度などを踏まえて判断されます。

告知の要否について自己判断で進めるのは危険です。告知を怠った場合、契約解除や損害賠償請求につながるおそれがあるため、不動産会社や司法書士などの専門家に相談しながら慎重に判断することが重要です。

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売却のポイントは価格調整と情報開示

瑕疵物件の売却では、正確な情報開示と現実的な価格設定が重要になります。瑕疵を隠したり、あいまいな説明をしたりすると、後からトラブルになりやすく、結果的に売主にとって大きなリスクとなります。

瑕疵の内容を正直に伝えたうえで、その影響を価格に反映させることで、買主は納得して検討しやすくなります。適正な価格を見極めるためには、複数の不動産会社に査定を依頼し、市場でどの程度評価されるのかを把握することが有効です。

また、仲介による売却が難しい場合には、不動産会社による買取を選択する方法もあります。価格は下がる傾向がありますが、告知や交渉の負担が軽く、早期に売却できる点は大きなメリットです。

さらに、物件の活用方法を提案することも効果的です。心理的瑕疵がある場合でも、賃貸用や事業用としてであれば抵抗感が少ない買主もいます。用途の幅を広げることで、売却の可能性は高まります。

売れにくい条件をチャンスに変える不動産売却シリーズ

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まとめ:瑕疵物件=売れない物件とは限りません

瑕疵物件であっても、内容を正しく理解し、必要な情報を適切に開示したうえで価格調整を行えば、売却の可能性は十分にあります。重要なのは、瑕疵を隠すことではなく、状況に合った売却方法を選ぶことです。

司法書士事務所が母体の「中野リーガルホーム」では、告知義務の判断から売却戦略の立案、契約書作成まで、法律と不動産の両面からサポートしています。相続不動産や空き家の売却でお悩みの方も、どうぞお気軽にご相談ください。

瑕疵があるからといって、あきらめる必要はありません。専門家の力を借りながら、安心して次の一歩を踏み出しましょう。

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初回投稿日: 2023年8月29日
最終更新日:2025年12月24日

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