任意売却/生活の再建のために

任意売却/生活の再建のために

病気やリストラ、事業の不振など様々な理由で住宅ローンの返済が出来なくなってしまった場合、放っておくとローンの債権者(金融機関等)は裁判所に競売の申立てをします。
自宅不動産を競売にかけられてしまうと市場価格より安く売却されてしまい、残った債務についても一括での支払いを求められるなど、厳しい状況に立たされてしまいます。

このような競売を防ぐとして手段として、「任意売却」という方法があります。
「任意売却」とは具体的にどういうことか、どのような流れで行われるかなどをご説明いたします。

目次

任意売却とは?

image任意売却とは、自宅などの不動産を所有者自らの意思で売却をして、住宅ローンを返済する方法です。
住宅など不動産を購入するときに、当然多くの人は住宅ローンなどを金融機関から融資されます。金融機関は融資の担保として、購入した不動産に抵当権などを設定しますが、この不動産を売るときには抵当権などを解除(抵当権の抹消)してもらうことが必要です。
抵当権などを解除してもらうためには、もちろん融資金の残額をすべて返済することが前提となります。
住宅ローンの残高よりも高く売れれば何ら問題はありませんが、残高を下回る金額でしか売れないときには全額の返済ができません

このようなときに、金融機関など(債権者、抵当権者)の合意を得たうえで不動産を売り、返済しきれなかった債務を残したままで抵当権などを解除してもらいます。これが任意売却です。

競売と任意売却

通常、住宅ローンの滞納が続くと金融機関などの債権者は住宅ローン債権回収のため、裁判所を通じて担保となっている不動産の競売手続きを行います。
競売の場合、相場より3~4割安い価格で売却されてしまうためより多くの債務が残ってしまい、さらにその残債は一括返済を迫られる場合もあります。
また、売主の意向は一切反映されませんので、引越しのタイミングなども自由にはなりません。

競売で売却されてしまうのを避けるためには「任意売却」手続きを行う必要があります。
任意売却は競売のように強制的な処分ではありません。通常の不動産の売却と同じ一般の市場で売却を行うので、競売のように通常の売却価格よりも安く叩き売られてしまうことはありません。したがって、競売での売却よりも借金の金額を減らすことができます
また競売のように強制的に手続きが進むこともなく、ある程度融通をもって手続きを進められ、場合によっては引っ越し費用を捻出してくれたりや残債がある場合は長期の分割弁済を認めてくれたりメリットは多いです。債権者である金融機関にとっても「競売のときよりも、融資金の回収が多く見込める」というメリットがあります。

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任意売却のメリットとデメリット(競売との比較)

競売と比較した場合の、任意売却のメリットとデメリットをまとめました。

任意売却のメリット

メリット1:市場価値で売却できる
競売は、入札形式で売却手続きを行い、市場価値よりも安い(一般的には60~70%程度)価格で売却されます。競売情報は公開されておりますが、建物内を確認できないなど十分な情報収集ができないため、競売物件を専門に購入する不動産業者のみが落札することになります。不動産業者は、購入金額に利益を乗せて販売することが前提ですので、市場価値より安価で売却手続きが進むことになります。
任意売却の場合は、あくまで市場価値での売却となり、競売よりも高値の売却が可能となります
メリット2:残債は分割返済ができる
売却後も残った債務(残債)は、金融機関との協議のもと、分割返済が可能です。収入や生活状況を考慮の上、現実的に支払うことができる金額の支払いに応じて貰える可能性もあります。
メリット3:費用が控除される
売却時の測量費用、滞納分の管理費・修繕積立金、仲介手数料、引越し費用等の諸経費を、金融機関との調整により売却した代金から控除できます。それにより、金銭的な負担(手出し)が軽減されることになります。
メリット4:経済事情が明るみに出ない
競売情報は、新聞やインターネット(不動産競売物件情報サイト)で公開されてしまうため、住宅ローン延滞等の経済事情を、第三者に知られてしまう可能性があります。
任意売却は、通常の売却手続きを進めることになりますので、金融機関以外の第三者に所有者の経済事情が知られることはありません。
メリット5:自分の意思が反映できる
競売にかけられた場合、様々な手続きは強制的に進み、成立後は立退きを迫られることになります。
任意売却はあくまでも持ち主の意思による売却活動ですので、引渡しのタイミングなどを購入者と話し合うことが可能です。

任意売却のデメリット

デメリット1:競売開札日までに手続きしなくてはならない
競売開札日とは競売によって物件が落札された日ということです。そのため、その前日までに任意売却での売買契約を完了させておかなければなりません。
デメリット2:必ず成功するとは限らない
債権者と売買価格の折り合いがつかなかったり、買主が見つからなかったなどの理由により、任意売却を諦めざる負えないケースもあります。

このように、競売を避け任意売却ををすることには多くのメリットがあり、競売となる事を考えればデメリットはさほど大きなリスクとなるものではないといえます。
もはや競売が避けられないという状況であれば、積極的に任意売却を検討すべきでしょう。

任意売却に必要な条件

任意売却をするためには、いくつか条件を満たしている必要があります。
そのうちの主なものについて、注意の必要な点なども含めご説明します。

債権者の合意があること
任意売却を開始するにあたり、債権者の合意は必須です。
返済が滞り続け他に回収の見込みがないと判断すればあまり問題はないのですが、売却価格が安く債務が多く残ると予想される場合などは合意が得られないことがあります。
物件が差押さえられていないこと
固定資産税や住民税などの税金の滞納が続くと、自治体により財産が差押えられてしまう場合があります。売却物件が差押えられてしまうともう売却活動はできませんので、税金の滞納には注意が必要です。
競売開札日までに時間の余裕がある事
任意売却では競売開札日(落札者が決定する日)までに売買契約を完了させていなければならないため、既に競売が開始されてしまっている場合、十分な売却活動をする時間が残されていない場合があります。なるべく競売開始前に任意売却を検討されることをおすすめします。
連帯保証人の同意
連帯保証人がいる場合には、その方にも任意売却をすることを承諾してもらう必要があります。疎遠になっていたり関係が悪くなっている場合など、なかなか同意を得るのが難しいケースもあります。丁寧に状況を説明し、理解を得られるよう努力してください。

任意売却の流れ

①手続きの開始

債権者と返済に関する話し合いを行います。そして、債権者が中心になって手続きを進めます。
話を進める上で「売買価格の決定」と「買主の決定」は、重要なポイントです。売買価格は債権者の債権回収率に大きく影響を及ぼしますし、買主の目星がついている場合は、話がより具体的になります。

②債権者やその他利害関係人との調整

任意売却には、債権者や利害関係人の調整と合意が必要となります。
債権者が数社となる場合、売買代金をどのように分配して各債権者の返済にあてるのか、また、その返済額で承諾してもらえるのか、一部放棄は可能なのかなど、いろいろ調整をしていかなければなりません。
また、税金の滞納はないのか、建物であれば占有している人が居ないかなど 、早めに確認していく必要があります。

③任意売却の成立

全ての当事者が合意した上で、その他の手続きが完了し、売却手続きの準備が整うと決済日(実際に売買する日)が決まります。
決済日には、当事者を含め関係者が集まり、担保権の抹消や所有権移転等の登記手続の確認、売買代金の支払いが行われ、債権者により競売手続の取り下げがなされます。
売買代金から各債権者へ返済を行い、様々な精算手続きが行われて不動産は買主名義にかわり、返済を受けた債務はなくなります。

リースバックについて

リースバックとは、自宅を売却した後に買主より借りることで自宅に住み続ける、という仕組みのことです。
しかし、任意売却では債務が売却価格を上回るオーバーローン状態にあるため、通常のリースバックの利用は、債権者である金融機関が合意しないなどの理由で非常に難しくなります。

親族間でのリースバックそれでも自宅に住み続けるための方法としては、親族間売買を利用したリースバックがあります。親あるいは子などの親族へ自宅を売却し、そのまま自宅として住み続けられるようにしてもらうのです。例えば、資金繰りの厳しくなった息子の自宅を親が買い取り、息子一家はそのまま自宅で暮らす(あるいは親も同居する)というようなケースが挙げられます。
但し親族間売買は、任意売却と同様金融機関との調整が必要となります。また、ローンが組みにくい、課税される場合がある、など注意が必要な点もあります。
親族間売買について、詳しくははこちらをご覧ください。
→「個人間・親族間売買」

任意売却はどこに依頼すればよいか?

不動産の売却をする以上、任意売却も不動産業者へ依頼を検討されるかと思います。
しかし当事務所を訪れる任意売却の相談者様からは、事前に不動産の仲介業者に相談していたが前向きに業務に取り組んでもらえなかった、というような話をお聞きすることがあります。
任意売却を進める場合、売却活動の状況、売却資金使途の説明(債務の返済、仲介手数料、引越し費用等)、売却後に残債が残る場合の返済計画など、金融機関との調整が必要となるため、手間がかかる「任意売却」の取り扱いを避ける仲介会社があることも事実です。
任意売却を進めるためには債務整理に関しての知識や経験が必要です。
住宅ローン以外の債務を整理することで、大きく状況が変わる場合もありますし、売却後の残債の整理や生活の再建なども含めた相談ができる業者を選ぶことが大切です。

司法書士×宅建士による、任意売却のサポート

任意売却を進めざるを得ないお客様は、クレジットカードや教育ローン等、他の債務を抱えていることが殆どです。住宅ローンは、収入の中から最優先で支払われるものですが、その返済が滞るということは、他の「債務整理」も必要となります。
不動産売却、住宅ローン返済相談+債務整理について、仲介会社は外部の司法書士と分業で業務を進めますが、2社で円滑に業務を進めることは難しく、個人の債務というデリケートな情報を2社に提供することは、相談者にとって心配な点であると思います。

司法書士と宅建業のWライセンス清澤司法書士事務所では、宅地建物取引業者免許を取得し、司法書士・不動産業を併業しております。
司法書士は、日常の業務として、相談者の「債務整理」に携わっています。
当事務所では、住宅ローンの返済・債務整理等の金融機関への相談+不動産売却、それを一連の業務として「清澤司法書士事務所」内にて完結できることが、相談者様の利益となると考えております。

住宅ローン問題は、早めにご相談いただくことがより良い解決と、生活の再建への鍵となります。初回のご相談は無料承っておりますので、まずは一度ご相談ください。

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