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- 遺産分割協議で家族とトラブルが起きたら?│相続不動産の売却

相続の第一歩は「家族の話し合い」から─
親から不動産や預金を相続したとき、最初に直面するのが「遺産をどう分けるか」という問題です。
「相続」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、簡単に言えば「亡くなった方が残した財産を、家族や親族で分け合うこと」です。そして、その分け方を決めるための話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。
相続人が自分だけではない場合、不動産や預金などを相続するには、必ずこの「遺産分割協議」を行う必要があります。しかし、進め方を間違えるとトラブルを生んだり、協議自体が無効になったりすることもあるため、正しい知識を事前に身につけておくことが大切です。
実際に相続を経験した方の多くが、次のような悩みを抱えています。
- 兄弟姉妹で話し合いがまとまらず、協議が進まない
- 不動産の扱いに困り、売却か保有か判断できない
- 相続税や譲渡所得税など、税金の仕組みが複雑で不安
- 相続登記の期限(3年以内)を守れるか心配
- 親の介護をしていた相続人が「取り分を増やしたい」と主張し、意見が食い違う
- 遺産の範囲が曖昧で「これは遺産に含まれるのか」と揉める
- 不動産の分割方法(売却・分筆・代償金・共有)で意見が割れる
- 遺産分割協議書の作成方法がわからず不安
- 遠方に住む相続人との連絡や調整が難しい
こうした悩みを「いつか解決しよう」と放置していると、以下のようなリスクが生じます。
- 相続登記の期限を過ぎてしまう(2024年4月から義務化、3年以内に登記しないと過料の可能性)
- 税金の特例を使えなくなる(相続税の控除や軽減措置には期限がある)
- 家族関係がさらに悪化する(時間が経つほど感情的なしこりが深くなる)
そこで今回は、遺産分割協議とはどのようなものなのかを高校生でも理解できるようにわかりやすく説明しながら、起きやすいトラブルの例や解決策についても解説します。中野区を中心に東京23区内で遺産分割協議についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
遺産分割協議とは?家族全員で「どう分けるか」を決める話し合い
遺産分割協議とは、相続人全員で「財産をどう分けるか」を話し合うことです。
たとえば、お父さんが亡くなって、家と預金が残されたとします。相続人がお母さん、長男、長女の3人だった場合、この3人全員で「誰が家を相続するのか」「預金はどう分けるのか」を話し合って決める必要があります。これが遺産分割協議です。
遺言書がある場合とない場合
遺産分割協議が必要かどうかは、遺言書の有無によって変わります。
◆遺言書がある場合
基本的には遺言書の内容に従います。遺言書には「誰に何を相続させるか」が書かれているため、その通りに分ければよいのです。
ただし、相続人全員の同意があれば、遺言書の内容を変更できる場合もあります。たとえば、遺言書では「長男が家を相続する」となっていても、家族全員が「長女が相続した方がいい」と合意すれば、変更可能です。
◆遺言書がない場合
相続人全員で話し合い、分割方法を決める必要があります。この話し合いが遺産分割協議です。
遺産分割協議の進め方—4つのステップで理解しよう
遺産分割協議は、以下のステップで進めます。
ステップ1:相続人を確定させる
まず、「誰が相続人なのか」を正確に把握する必要があります。
◆なぜ重要なのか
新しい相続人が後から発覚すると、協議が無効になってしまうからです。
たとえば、父親に前の結婚での子どもがいたことが後から判明した場合、その人も相続人となります。その人を除いて行った協議は無効となり、最初からやり直さなければなりません。
◆どうやって確認するのか
戸籍謄本を集めて確認します。亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍をすべて取り寄せることで、相続人が誰なのかを正確に把握できます。
◆特別なケース
- 未成年者がいる場合:親が代わりに協議に参加できないため、家庭裁判所に「特別代理人」を選任してもらう必要があります。
- 認知症の方がいる場合:判断能力が不十分な場合は「成年後見人」を選任します。
ステップ2:相続遺産を把握する
次に、「何が遺産なのか」を正確に確認します。
◆遺産に含まれるもの
- 不動産(土地、建物)
- 預金・現金
- 株式・有価証券
- 自動車
- 宝石・骨董品
- 借金(マイナスの財産も相続対象)
◆なぜ重要なのか
後から新しい遺産が見つかった場合、改めて協議が必要になるからです。
たとえば、協議が終わった後に「実は別の銀行に預金があった」とわかった場合、その預金についてまた話し合いをしなければなりません。
◆どうやって確認するのか
- 通帳や証券会社からの書類を探す
- 登記簿謄本で不動産を確認する
- 金融機関に問い合わせる(相続人であれば口座の有無を確認できる)
ステップ3:分割内容を話し合う
遺産と相続人が確定したら、いよいよ本題の話し合いです。
◆決めるべきこと
- どの遺産を
- 誰が
- どのように相続するか
たとえば、「自宅の土地と建物は長男が相続する」「預金3,000万円は母・長男・長女で1,000万円ずつ分ける」といった具合に決めていきます。
◆重要なルール
全員の同意が必要です。一人でも反対する人がいれば、協議は成立しません。
◆遠方の相続人がいる場合
全員が同じ場所に集まれない場合でも大丈夫です。電話やメール、郵送でのやり取りでも協議は可能です。最終的に協議書に全員が署名・押印すれば成立します。
ステップ4:遺産分割協議書を作成する
話し合いの内容が決まったら、それを文書にまとめます。これが遺産分割協議書です。
◆なぜ必要なのか
- 不動産の名義変更(相続登記)に必要
- 預金の引き出しや解約に必要
- 後のトラブル防止のため
口約束だけでは、後から「そんなこと言っていない」とトラブルになる可能性があります。文書に残すことで、全員が合意した証拠となります。
◆作成方法
自分で作成することもできますが、不安がある場合は司法書士や弁護士に依頼するのが安心です。
必要な記載内容は以下の通りです。
- 誰が何を相続するのか
- 不動産の場合は所在地や地番
- 預金の場合は銀行名・支店名・口座番号
- 相続人全員の署名・押印(実印)
相続トラブルになりやすいケース
遺産分割協議では、以下のようなケースでトラブルが起こりやすいです。
ケース1:遺産の範囲をめぐる対立
「この財産は遺産に含まれるのか、含まれないのか」で揉めることがあります。
◆よくある例
- 親名義の預金だが、実際は子どもが管理していた
- 生前に親から贈与を受けていた相続人がいる
- 親が生前に使い込まれた疑いがある
◆解決のヒント
生前贈与については「特別受益」として考慮されることがあります。専門家に相談して、法的にどう扱うべきかを確認しましょう。
ケース2:親の世話をしていた相続人がいる
「親の介護をしていたから、取り分を増やしてほしい」と主張するケースです。
◆よくある例
- 長女が10年間、親の介護をしていた
- 長男は親と同居し、生活費を援助していた
- 次男は遠方に住んでおり、ほとんど親の面倒を見ていなかった
◆解決のヒント
法律上、介護や同居には「寄与分」という制度があり、貢献度に応じて取り分を増やせる場合があります。ただし、認められるには一定の条件があるため、専門家に相談することをおすすめします。
ケース3:不動産の分割方法をめぐる対立
不動産は現金と違って簡単に分けられないため、最もトラブルになりやすいです。
たとえば、遺産が「自宅の土地・建物(3,000万円相当)」と「預金300万円」だった場合、長男が不動産を全部相続すると、他の相続人は預金を少し分けるだけになってしまい、不公平に感じるかもしれません。
不動産の分割方法
不動産を分ける方法を解説しましょう。
1.換価分割:売却して現金に換えて分ける
不動産を売却し、得られた現金を相続人で分ける方法です。
- メリット:公平に分けやすい
- デメリット:思い出の家を手放すことになる
2.現物分割:土地を分筆して分けるなど、現物のまま分ける
土地を複数の区画に分けて、それぞれが相続する方法です。
- メリット:不動産を残せる
- デメリット:分筆できない土地もある、価値が下がる可能性がある
3.代償分割:一人が不動産を相続し、他の相続人に代償金を支払う
長男が不動産を全部相続する代わりに、長女に1,000万円を支払うといった方法です。
- メリット:不動産を残せる、公平性も保てる
- デメリット:代償金を支払う資金が必要
4.共有:複数人で共有所有する
不動産を兄弟3人で3分の1ずつ共有する方法です。
- メリット:とりあえず分けられる
- デメリット:将来売却する際に全員の同意が必要、トラブルの火種になりやすい
トラブルを防ぐ3つの解決策
解決策1:相続発生前の話し合い
親が元気なうちに方向性を話し合っておくと安心です。「こんな話をするのは縁起が悪い」と思うかもしれませんが、親の意思を確認しておくことは、後のトラブル防止に非常に有効です。
◆話し合っておくべきこと
- 誰に何を相続させたいか
- 不動産は売却してもいいのか、残したいのか
- 葬儀やお墓のことも含めて
解決策2:調停・審判の利用
話し合いがどうしてもまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を利用できます。
◆調停とは
家庭裁判所の調停委員が間に入って、話し合いをサポートしてくれる制度です。第三者が入ることで、冷静に話し合いができるようになります。
◆審判とは
調停でも解決しない場合、最終的には裁判所が分割方法を決定します。これを「審判」と言います。
解決策3:遺言書の作成と遺言執行者の指定
遺言書を残しておくことが、最も有効なトラブル防止策です。
親が遺言書を作成しておけば、相続人同士で揉める可能性が大幅に減ります。
◆遺言執行者とは
遺言書の内容を実行する人のことです。遺言執行者を指定しておけば、手続きがスムーズに進みます。
まとめ:一人で抱え込まず、専門家に早めの相談を
相続人の数が多いほど、遺産分割協議でトラブルが生まれるリスクは高くなります。特に不動産の相続では分割方法をめぐって揉めやすいため、売却による現金化が有効な解決策になることもあります。
覚えておきたい3つのポイント
- 遺産分割協議は相続人全員の同意が必要
- 不動産は分けにくいため、トラブルになりやすい
- 専門家に相談することで、安心して手続きを進められる
大切なのは、「困ったときに一人で抱え込まないこと」です。家族との話し合いがうまくいかないときや、手続きがわからないときは、専門家の力を借りることで解決の糸口が見つかります。
中野リーガルホームのワンストップサポート
中野リーガルホームは、清澤司法書士事務所を母体とし、不動産仲介業の資格も持つ専門チームです。
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初回投稿日: 2023年8月29日
最終更新日:2025年12月11日








