競売になる前に知っておきたい任意売却の注意点5つ│任意売却・住宅ローン滞納

「住宅ローンの返済がもう難しい…」そんなときに考えられる選択肢のひとつが「任意売却」です。これは、競売にかけられる前に自分の意思で家を売る方法で、競売より高く売れる可能性があり、残った借金も分割で返せるなどのメリットがあります。

ただし、任意売却には注意すべき点がいくつもあります。タイミング、手続きの流れ、保証人との関係、税金の扱いなどを理解していないと、後で思わぬトラブルにつながることも。

この記事では、その大切なポイントをわかりやすく整理し、安心して一歩を踏み出せるようにお伝えします。

目次

任意売却時の注意点

注意点1:タイムリミットがある

任意売却のタイムリミット「任意売却はいつまでに手続きすれば間に合うのか?」
「競売が始まってしまったら任意売却はできないの?」
任意売却は、競売の開札(入札結果が決まる日)の前日までに売買契約を成立させる必要があります。開札日を過ぎると物件は競売で落札されてしまい、任意売却はできません。

ただし、任意売却の準備から売買成立までには通常3〜6カ月かかるため、競売開始後に動き出すのでは間に合わない可能性が高いです。住宅ローンの滞納が続き、返済の見通しが立たないと感じた段階で、できるだけ早く専門家に相談することが安全です。

競売開始後でも、開札日前であれば任意売却は可能です。ただし、競売の手続きは進行し続けるため、任意売却の意向を示しても競売が自動的に止まることはありません。時間が限られている中で買い手を見つけ、契約を完了させなければならないため、現実的には難しくなるケースが多いです。そのため「競売開始前に任意売却を決断する」ことが最も確実で、売却価格も高くなる可能性が高まります。

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注意点2:連帯保証人の同意が必要

「自分だけの判断で任意売却はできないの?」
「競売になったら残債の請求は保証人に行くの?」
「離婚した元配偶者が保証人だけど、話しづらい…任意売却に同意してくれるの?」

任意売却は、住宅ローンの債権者(金融機関)と連帯保証人の同意が必要です。債務者だけの判断では進められません。連帯保証人も同じ債務を負っているため、売却後の残債処理に関わる以上、同意が欠かせないのです。

競売で売却しても残債が残る場合が多く、その返済義務は債務者と連帯保証人に及びます。債務者に返済能力がなければ、金融機関は連帯保証人に請求します。つまり、競売になると保証人の負担が一気に重くなる可能性があります。

疎遠な相手や関係が悪化している場合、理解を得るのは簡単ではありません。しかし、任意売却は残債を少なくし、保証人への請求負担を軽減できる可能性があるため、保証人にとってもメリットがあります。事情を説明し、迷惑をかけることを謝罪したうえで「競売よりも任意売却の方が負担が軽くなる」ことを誠意をもって伝えることが大切です。

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注意点3:売却価格の設定

「売却価格が低すぎると金融機関の同意が得られないって本当?」
「価格を高めに設定すると、買い手がつかないまま競売に移行する?」
「任意売却はリフォームなし・瑕疵担保なしが多いと聞くが、価格設定にどう反映する?」

任意売却の価格設定任意売却は債権者(金融機関)の同意が必要です。売却価格がローン残高を下回り、債務が残ってしまう状態を「オーバーローン」といいます。任意売却はこのオーバーローンのケースで行われることが多いのですが、価格が低すぎて残債が大きくなりすぎると、売却後の返済に支障が出ると判断され、金融機関から同意を得られない可能性があります。金融機関は「売却価格の妥当性」と「残債返済の見通し」を重視しているため、適正な価格設定が不可欠です。

任意売却は期限内に成約できなければ競売へ進みます。相場より高い価格設定は反響が弱く、値下げが遅れるとタイムリミットに間に合わず競売へ移行する可能性が高まります。期間内に売り切るための現実的な価格設定と、段階的な見直しが重要です。

条件が劣る分(現状渡し、瑕疵担保免責、内装未改修など)、一般の相場よりディスカウントが必要です。近隣の成約事例を基準にしつつ、物件の状態や引渡条件のハンデを価格に織り込むのが現実的です。買い手への説明は「現状」「免責」「引渡時期」を明確にし、価格との整合性をとると成立しやすくなります

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注意点4:税金の滞納による資産差し押さえ

「固定資産税や住民税を滞納していると任意売却はできないの?」
「いきなり差し押さえられることはあるの?」
「税金も住宅ローンも滞納しているが、どちらを優先すべき?」

税金を滞納していても、すぐに任意売却が不可能になるわけではありません。ただし、滞納が長期化すると自治体が不動産を差し押さえることがあります。差し押さえが入ると任意売却の手続きは進められなくなるため、税金の滞納は早めに解消しておくことが重要です。

通常は督促状や催告書などの通知を経てから差し押さえに進みます。いきなり不動産が差し押さえられることはありませんが、通知を無視し続けると最終的に差し押さえに至ります。任意売却を検討している場合は、差し押さえ前に対応することが不可欠です。

どちらも放置すれば差し押さえや競売につながりますが、税金滞納による差し押さえは任意売却そのものを不可能にするため、特に注意が必要です。住宅ローンの返済が難しい場合でも、税金については分割納付や徴収猶予の制度があります。払えないときは自治体の窓口に相談し、「任意売却を進めている」ことを伝えることで、猶予措置を受けられる可能性があります。

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注意点5:任意売却を任せる業者

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「任意売却は普通の不動産会社に頼める?」
「任意売却だけで借金問題は解決するの?」

任意売却は通常の不動産売買と同じく宅建業の資格を持つ仲介業者に依頼できます。しかし、任意売却は単なる売却ではなく、金融機関との交渉や残債処理を並行して進める必要があります。そのため、売却の経験だけでなく、法律や税務に理解があり、弁護士や司法書士などと連携できる「任意売却の実績がある専門業者」に依頼する方が安心です。一般的な不動産会社ではこうした対応が難しい場合が多いため、専門性を持つ会社を選ぶことが成功のポイントです。

任意売却をしても、売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態では残債が残ります。残った借金については、金融機関と分割返済の交渉を行うか、債務整理を検討する必要があります。つまり、任意売却だけで借金問題が完全に解決するわけではありません。売却後の残債処理まで含めて相談できる専門業者や法律の専門家に依頼することで、生活再建の見通しが立ちやすくなります。

以上のように、任意売却を進めるには時間的な制約や確認すべき点など、さまざまなハードルがあります。収入の回復が難しい状態であれば、早めに任意売却を念頭に置いて準備を開始するべきでしょう。

債権者が任意売却を認めるのは、住宅ローンの滞納が始まって半年が経過し「期限の利益喪失通知」が届いた後です。それまでは任意売却を開始することはできませんが、準備を進めることは可能です。なかなか自宅を手放す決心はつけ難いものですが、相談だけでも早めにしておくことをおすすめします。

司法書士事務所が母体の中野リーガルホームなら、任意売却の経験も豊富で金融機関との調整や法律面のサポートも一貫して対応できます。さらに、無料査定や無料相談も受け付けているため、初めての方でも気軽に相談でき、新しい生活への道筋が見えやすくなります。

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初回投稿日: 2020年8月27日
最終更新日:2025年12月17日

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