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相続した不動産を兄弟で共有し、そのうちの一人が住み続けている。こうしたケースは決して珍しくありません。時間が経つにつれ、「やはり自分の名義にまとめたい」と考え、持分の買い取りを検討する方も多くいます。
ただ、その際に見落とされがちなのが、「登記上の名義割合」と「実際の返済負担」が一致しているかという点です。このズレを放置したまま手続きを進めると、思わぬ税務リスクにつながることがあります。
目次
まず多くの方が疑問に感じるのは、「家族間の話なのに、何が問題になるのか」という点でしょう。
たとえば、相続時に兄弟で50%ずつ共有名義にしたものの、実際の住宅ローンは兄だけが返済しているケースを考えてみます。
この場合、税務上は「名義人」と「代金を負担している人」が一致していない状態になります。すると、まず住宅ローン控除の適用に影響が出ます。
住宅ローン控除は、原則として「自分が所有する持分」に対し「自分で借り入れたローン」がある場合に受けられる制度です。名義が半分あっても、自分でローンを返済していない側(この場合は弟)は控除を受けられません。
一方で、全額を返済している兄も、自分の名義(持分)が50%しかなければ、残りの50%分については控除の対象外となってしまい、想定より控除額が少なくなる可能性があります。
さらに注意したいのが、贈与税の問題です。
兄がローンの全額を返済しているのに、弟が50%の名義を持ち続けている状態は、税務上「兄が弟の持分にあたる代金を肩代わりしている」と評価される可能性があります。これがいわゆる「みなし贈与」です。
贈与税には年間110万円の基礎控除がありますが、住宅ローンの年間返済額がそれを超える場合、家族間の親切心のつもりでも課税対象となるリスクがあります。税務当局は家族間であっても、第三者間の取引と同様に厳格に判断する点は肝に銘じておくべきでしょう。
では、実際に持分を買い取る段階では何に気をつければよいのでしょうか。
単に名義を変更するだけでなく、「誰がいくら支払い、それが登記上の割合と合致しているか」を正しく反映させることが重要です。
現在の住宅ローン控除は、年末の借入残高の0.7%を所得税・住民税から控除できる仕組みです。控除期間は新築や環境性能、中古住宅などの区分に応じ最長13年(中古は10年)となります。
数年前までは控除率が1%だったため、古い情報のまま資金計画を立てると見込みがずれてしまうので注意が必要です。
また、共有名義から単独名義へ変更し、新たに借り換えローンを組む場合は、その時点での新しい税制が適用されます。名義・ローン契約・実際の返済者の3つを一致させることが、控除をフルに活用するための大前提です。
ここまで見てきたように、兄弟間の持分調整は単なる事務手続きではありません。
登記、住宅ローン、税務評価が密接に関係しており、どれか一つを欠いても後から不利益が生じる可能性があります。「名義と返済をいかに整合させるか」という全体設計の視点が欠かせません。
持分の買い取りは共有状態を解消する有効な手段ですが、その前提として名義と返済のバランスを確認することが不可欠です。
家族間のことだからと曖昧に進めるのではなく、現在の税制ルールに沿って整理することが、結果として将来のトラブルを防ぎ、安心な住まいを手に入れる近道となります。
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